新文化(出版業界紙) 連載コラム
本のソムリエ・ロックスター団長がゆく!
“御縁”を結ぶ読書家の集まり
NPO法人【読書普及協会】
'06/12/14

  港での任務を終えた僕は、やや肌寒い風に吹かれながら読書を楽しんでいた。本を満喫するには、環境もかなり重要だ。部屋で読む本と浜辺で読む本、明らかに味わいが違う。コーヒーをすすりながら、違いのわかる男気分で悦に入っていたところ、雰囲気ブチ壊しの着信音が鳴り響いた。こ、このメロディーは…。“ボス”からの電話だ!「団長、今すぐ“協会”に行ってくれ」「え、“教会”? ボス、式でも挙げるんですかぁ?」「バカヤロー、オレは既婚者だ! とにかく急いでくれ、行き先は江戸川! 熱いヤツらが集まってるから行けばすぐわかる。ブチッ」「え〜そんな! ボ・ボス! ボス〜!」 
 …というわけで、ごきげんよう、本のソムリエ“団長”です。ボスからの特命を受け、次なる地・謎の教会へやってまいりました〜! 都営新宿線・篠崎駅から歩くこと約5分、閑静な町並みの中に大いなる志の旗がズシーンと立っていました。その名も“NPO読書普及協会”! 2003年11月の設立後、草の根で海外を含め、全国各地に40もの支部が誕生。会員数も約900名に膨れ上がった今最もホットな読書愛好家の集まりです。理事長を務めるのは、名物書店“読書のすすめ”店主でもある清水克衛さん。設立の動機は「私の店には全国からお客さんがお見えになりますが、最高に素晴らしい方ばかりなんですよね。私と1対1の関係で終わらせるには本当にもったいない気がしました。そこで、皆さんのつながりの場を作ったり、一緒に笑ったり、元気になったりするNPO団体にして全国に発信していけたら面白いのでは、と立ち上げました」とのことです。
 具体的な活動内容ですが、「“本の出会い、人の出会い”を合言葉に、おすすめ書籍を紹介したり、面白い人に講演してもらったり、毎月各支部の主催でさまざまな企画が行われています。私の講演を聞くために集まるのではなく、本や人を通じて自分の中にある可能性に気づく、そんな会にしていきたいですね」と熱く語ってくださいました。
 そんな読書普及協会が今一番情熱を注いでいるのが、この12月3日にオープンしたdoxi(ドクシー)です。これは協会会員だけが入れるSNSとショッピングモールを融合した新しいWEBサイトです。さて一体どんなものなのか、さっそくdoxiに初挑戦! 派手なトップ画面からログインすると個人のページへ。日記の仕組みはmixiとほぼ同じですが、大きく異なる点は、清水さんからのメッセージなどの動画を閲覧できることです! 初めて参加する方も一気に親近感が湧いてきます。見れば見るほどdoxi中毒になりそうです(笑) 
 doxiに懸ける想いを清水さんは「人間的に立派で徳を積んでいるのに、残念ながら結果が出ない方がたくさんいます。それは“御縁”が足りないからです。“原因”と“結果”の間には良質な御縁が必要です。御縁を育ててこそ結果も出てきますし、加速するんです。日本人の文化は助け合い。人と人との信頼に基づく付き合いです。読書普及協会はdoxiを通じて、義理、人情、愛…といった目に見えないものを文化として残していきたいと思っています。私はこのdoxi・人情横丁が日本を変える、と本気で信じているんです!」と熱弁はヒートアップする一方!
 また、清水さんにとっての“本”とは、「心の栄養。身体に食べ物が必要なように、心を豊かにするには本が必要。100冊の本よりも1回の飲み会、と思う時もあるんだけどね、へへ(笑)」と少し照れながら語ってくれました。
 「活字離れ」が何かと話題になるこのご時勢ですが、本当にそうでしょうか? 本の面白さを知るキッカケやチャンスさえあれば、読書人口はどんどん増えていく、と僕は確信しています。読書普及協会はその好例です。協会との御縁で本に目覚めた方、本をもっともっと好きになった方が大勢います。いい本との出会い同様に、本をよく知っている人や、本が大好きな人に出会い、交流すること、これも読書を楽しくする大きな秘訣だと思います。僕も読書普及協会やdoxiを通じて、全国の皆さんにいろんな側面から本の面白さを伝えながら、たくさんの本や人と出会い、楽しみの輪を広げていきたいです。人生をより面白くしたい方は、ぜひ読書普及協会へ! 思い立ったその日から、いつでも入会可能です。さっそく左記までどうぞ。

NPO読書普及協会
東京都江戸川区篠崎町1-403-4「読書のすすめ」内 電話03-5666-0969

【写真:清水理事長(左)と鈴木事務局長(右)】

 


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