新文化(出版業界紙) 5面記事
大盛堂書店駅前店「秋の読書フェア」
"団長"アピールで2桁伸長
'06/10/26

 東京・渋谷の大盛堂書店駅前店(今関稔店長)が、10月1日から15日までの約2週間、
「本のソムリエ」を自任するロックミュージシャンの団長のプロデュースにより開催した秋の読書フェアは「大成功」(今関店長)となり、相乗効果により店全体の売上げの対前年同期比は2桁伸長を示したという。従来のフェアのように、単にPOPを立てて、本を並べるだけではなく、団長がトークショーなどで、顧客に並べた本の良さをアピールし、書店から能動的に働きかけたことが項を奏したかたちとなった。
 フェア期間中、店全体の売上げの対前年同期比は12%増、客数は9%増となった。
フェアの総仕入冊数は42点・915冊で、売上げは280冊・約46万円。最も売れたのは、トークショーも行った臼井由妃氏の『通販の女王が初めて明かす10倍儲かる通販ビジネスの秘密』(日本実業出版社、本体2800円)の64冊。総仕入金額が約128万だから、販売比率は売上げが36%、冊数が31%となった。期間中、トークショー(写真下)は8回行われ、合計で約270人を動員、同店に日頃、馴染みのないビジネスマンや年齢層の高い客層も来店した。選書は、客層を考慮し、
若年層にも訴えるサクセスストーリーなどを中心に揃え、統一オビやポスター、コピーなど、全て自前で用意した。
 また、今回のフェアは、同書店のビルに設置される特大スクリーンでフェアの告知CMを流すなど、団長という個性的なキャラクターを前面に出し、選書やトークショーの人選も一任、書店は裏方に徹するという新しい方法で展開したこともあり、読売や朝日新聞、ラジオ、NHKテレビなどのマスコミが取り上げ、結果的には、店の認知度向上に貢献する結果となった。
 今関店長は、「団長がアピールした本は確実に売れているので、反省点としてもう少しフェアで並べた本をアピールする必要があったと思う。団長が売上げのことを余り考えないでやってくれたことも、結果的に良かった。書店が売りたい本を掘り起こすことの重要性を改めて感じた。今後も団長のカリスマ性を利用して2回目、3回目と続けていきたい」と話している。


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